
「交流する拠点」をテーマに、ショールームをリニューアル
今回のプロジェクト背景を教えてください。
マツダのカーディーラー店舗は、これまで黒を基調とした「品格ある佇まい」と「体験」をテーマに展開してきました。ブランドイメージ向上という面では一定の成果があった一方で、お客様からは「高級感があり、少し入りづらい」という声も。
そこで今回、約10年ぶりとなるショールームリニューアルでは、「交流する拠点」を新たなテーマに設定。お客様がより気軽に立ち寄れ、長く滞在したくなるような、カフェのような温かみのある空間づくりを目指しました。
「交流する拠点」とは具体的にどのようなデザインなのでしょうか。
リニューアル内容としては、木目やモルタル調などのアースカラーを取り入れ、従来の黒基調からグレー系へとトーンを調整しました。
前橋店では、外装に窯業系サイディングを採用するなど、素材感にも配慮しながら空間づくりを進めています。また、新車納車時のセレモニーを行う「納車室」の新設や、キッズスペース・家具・マツダ公式グッズ展示なども導入し、「車を買う場所」というだけではなく、お客様との交流が自然な形で生まれ、少しでも居心地良く過ごしていただける店舗を心掛けています。

店舗改修工事の難条件をクリアした、吸音ルーバー
ヒガノ製品を採用いただいた決め手を教えてください。
採用の決め手は、大きく3つありました。
1つ目は、「吸音性能を維持できたこと」です。
改修工事前の店舗では、天井材に吸音性能を持たせていました。そのため、単純に木目クロスを貼ってしまうと、吸音用の穴を塞いでしまい、店内の会話が反響しやすくなるという課題が。
店舗ではお客様との会話が非常に多いため、居心地を考えると吸音性能は落とせません。ヒガノさんのルーバーは、ブランドリニューアルに沿う形で意匠性を高めながらも、吸音性能を維持・向上できると感じました。また、一般的な吸音材のように表面に穴が見えないため、吸音材とは思えない高い意匠性も魅力でした。
2つ目は、「木目による空間演出が可能だったこと」です。
今回のリニューアルでは、温かみを感じられる空間づくりが求められていました。そのために、天井を下げて木目を取り入れる方法もありますが、店舗改修工事ではコストや工期の負担が大きくなります。
そこで思いついたのがルーバーでした。既存天井の下にルーバーを追加で設置することにより、実際に天井を下げることなく、視覚的に空間へメリハリを与えながら、木目による温かみを演出。空間の印象を大きく変えることができました。
3つ目は、「短工期への対応」と「安全性」です。
今回の工事は、店舗営業を継続しながら、週2日の定休日を利用して進める必要がありました。実質的な施工日数は30日程度しかなく、各所で工法を工夫しないと難しい条件。一般的なルーバー施工では、天井裏の下地を探しながら施工する必要があるところを、今回、既存天井材に直接下地を固定する方法をヒガノさん側から提案いただき、大幅な工期短縮を実現できました。
さらに、製品自体が非常に軽量で、万が一落下した場合でも安全性が高い点も採用の決め手に。

実際の評判はいかがですか?
広島のデザイン本部による視察では、「空間に温かみが生まれた」と高い評価を受けています。また、店舗スタッフから「ルーバーが入ることで空間が引き締まった」という声が上がっており、デザイン面・空間演出面の両方で効果を感じています。

柔軟な提案力とデザイン性に、今後も期待
ヒガノの対応はいかがでしたか。
特に印象的だったのは、既存仕様にとらわれない柔軟な提案です。
「既存天井を壊さずにルーバーを設置したい」という要望に対し、当初は“前例がない”という回答が。しかし数日後、ヒガノさん側から手書き図面付きで「この方法ならできるのではないか」という具体案を提示いただきました。
そこまで提案してもらえるとは思っていなかったので、すごく嬉しかったですね。こちらとしても、“ぜひ使ってみたい”という気持ちになりました。
今後、弊社に期待することはありますか?
木目デザインのバリエーションがより増えると嬉しいですね。店舗では、床材・家具・外装材など、さまざまな木目素材を組み合わせて使用するため、色味を合わせる難しさがあるんです。さらに、ルーバーだけでなく、ヒガノさんのデザイン庇や壁面収納型の傘立てなど、普段あまりデザインに力を入れにくい部分まで提案してもらえるのは魅力的なので、取り入れてみたいです。
今後も、標準仕様から少し外れた難しい相談であっても、一緒に解決策を考えていただけることを期待しています。

