事例紹介

「関東一小さな村の、みんなの家」丹波山村新庁舎。施設の顔となる空間をさりげなく引き立てる「エントランスマット」

物件名

丹波山村新庁舎

設計担当者

<建築設計>
株式会社NHA // NAOKI HASHIMOTO ARCHITECTS パートナー
増崎 陽介様
<施工>
太陽工業株式会社
建築技術本部 建築技術企画部 建築技術課 課長
清水 秀之様
建築技術本部 建築技術企画部 建築技術課
鶴岡 卓也様

製品

エントランスマット PEM-19(ニードルパンチ)

  • 将来にわたって親しまれる“みんなの家”のような役場を目指す
  • フットワークの軽さと対応力がヒガノ製品採用の決め手
  • 設計者・施工者いずれからも相談しやすいメーカー

東京に一番近い秘境ともいわれる山梨県北都留郡にある丹波山村。新宿と甲府を結ぶ青梅街道沿いの山あいに、関東でもっとも少ない人口530人ほどの人々が暮らす小さな村です。 昭和46年(1971年)4月に建設された旧庁舎は経年による老朽化をはじめ、耐震基準を満たしていないことから防災拠点としての機能が低下していました。また、情報化やバリアフリーなどの時代の変化に伴う社会的なニーズへの対応も難しくなってきたことから、新庁舎への建て替えが決まりました。令和2年7月、デザインビルド方式の公募型プロポーザルにおいて、株式会社NHAと太陽工業株式会社の共同企業体が選定され、2年半ほどの設計・工事期間を経て、今年4月から新庁舎の供用が開始しました。その新庁舎の顔ともいえるエントランスの風除室に、当社の「エントランスマット」が採用されています。その採用の経緯や決め手などを建築設計のNHAの増崎 陽介様、施工を担当された太陽工業株式会社の清水 秀之様、鶴岡 卓也様にそれぞれ伺いました。

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増崎 陽介様/株式会社NHA

将来にわたって親しまれる“みんなの家”のような役場を目指す

本プロジェクトの受注の経緯を教えてください。

増崎様:前職から付き合いがあり、懇意にしていただいていた太陽工業株式会社(以下、太陽工業)さんにお声がけして、設計・施工のプロポーザルに参加したことが受注のきっかけです。一般的には、審査員は大学教授や公的機関の方が多いのですが、本プロジェクトは地域の方々も審査員として参加しており、専門家だけでなく、地域の方々からも弊社の提案を選んでいただけたことがとても嬉しかったです。
さらに、弊社にとっては事務所設立以来、初めてプロポーザルで勝ち取った公共施設案件でした。また、膜天井施設やテント倉庫の世界トップクラスのシェアを誇る太陽工業さんにとっても新しいチャレンジといえる案件だったので、両社ともいつも以上に力が入った提案になっていたと思います。

建築設計のコンセプトは?

増崎様:“関東一小さな村の、みんなの家”がコンセプトです。もともと人が少ない土地だからこそ、街道を通る人や登山客など、そこを行き交う人がおのずと集まってくる場所としての、家のような役場です。庁舎として災害に強く、環境にも配慮した施設であるのはもちろん、村の観光拠点や子供たちの遊び場、災害時の拠点、ひいては祭の舞台でもあるというように、色々な使いかたができて、日々村の方々の居場所になることを目指しました。

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街道と山をつなぐ大きな木組みの屋根をかけた新庁舎

埋め込み式の「エントランスマット」を計画した理由は?

増崎様:人を迎え入れるエントランスは新庁舎の顔にもなる場所です。そのため、私の中では床に敷くレンタルマットではなく、すっきりとした納まりを実現できる埋め込み式の「エントランスマット」しかイメージにありませんでした。

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空間になじむ「エントランスマット」

フットワークの軽さと対応力がヒガノ製品採用の決め手

ヒガノの「エントランスマット」を採用した決め手は?

鶴岡様:もともとは別会社の製品を採用しようとしていたのですが、調整がうまくいかず納品が竣工に間に合わないという状況になってしまいました。関係者へのお披露目会にはなんとしてでも間に合わさなければならないという状況で、対応できるメーカーを探していたところ、ヒガノさんのWebサイトを発見しました。資料請求の翌日にはヒガノさんの営業担当者から電話をいただき、すぐに対応してもらえました。建築設計の増崎さんにもヒガノさんで進めたいという話をして、すぐにサンプルをチェックしました。そうしてヒガノさんの「エントランスマット」の採用に至りました。決め手はやはり、ヒガノさんの素早い動きと対応力です。

竣工後の感想があれば教えてください。

増崎様:エントランスマットのような製品は、製品単体として主張するよりも、端正な納まりで空間全体の引き立て役に徹してほしいと考えています。今回はコンクリートのゴツゴツした壁と明るい黄色の壁、それに控えめでさりげない「エントランスマット」の3つが、ひとつの空間にバランスよくまとまったと感じています。

清水様:実は、役場の方々からは「エントランスマットは素朴なものでいいんじゃないか」という声もありましたが、私たちとしては最後の仕上げとしてきちんとしたマットを入れたいという想いがあって。ヒガノさんの「エントランスマット」を入れたことでエントランスがぐっと締まり、仕上がった時は嬉しかったですね。

鶴岡様:新しい庁舎に関して、施主様からは「とても快適です。」という声をいただいています。ただ、使っていくうちに気になるところが出てきたと言われました。

清水様:以前の庁舎では古い建物だったので、仕方ないとあきらめたり、我慢して使ったりすることが多かったようですが、新庁舎になってから、“この庁舎を自分たちでさらに使いやすく、快適な空間にしていこう”という土壌が生まれたことはとても良いことではないでしょうか。

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左)鶴岡 卓也様、右)清水 秀之様/太陽工業株式会社
 

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黄色い壁を引き立てる、端正でさりげない「エントランスマット」

設計者・施工者いずれからも相談しやすいメーカー

エクステリアの重要性とは?

増崎様:過去に子供のための施設を設計した経験から、建築を屋内、屋外と分けて考えるのではなく、敷地の外までを一体の環境としてシームレスにつなげることを意識するようになりました。今回の丹波山でも同様ですが、そういう状態をつくることが“にぎわい”のきっかけにもなる気がしています。そのために、エクステリアにもインテリアと同じ血の通ったエレメントや素材を選ぶことがとても重要だと考えています。

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「外と中を床でつなげる意識は強い」と語る増崎様

今後のヒガノに期待することがあれば教えてください。

増崎様:今回「エントランスマット」を製作・施工していただいたことで、「門扉」のイメージが強かったヒガノさんがその他の製品も幅広く取扱いされていることを知りました。例えば意匠性の高い「フェンス」などもラインナップに加えてもらえると、今後相談の幅が広がるのでありがたいです。

清水様:実は進行している案件で具体的にヒガノさんの製品を検討しているものがあります。ヒガノさんの製品は意匠的に優れていますし、構造的にも強度を保ちながら薄くするために努力されているところがいいですね。

鶴岡様:弊社では屋根をつくるとなると、当然なのですがついつい自社の「膜」をベースに考えてしまいがちです。これまではそれ以外の引き出しがなかったのですが、今回のプロジェクトのおかげで「エントランスマット」以外にも「庇やシェード」など、ヒガノさんの製品でアイデアの引き出しが増え、表現の幅が広がりました。また相談させていただく機会もあると思いますので、今後とも連携をよろしくお願いします!

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ヒガノに期待を寄せてくださっている清水様(写真左)と鶴岡様(写真右)

採用していただいた製品の詳細はこちら

エントランス マット

製品
エントランスマット PEM-19(ニードルパンチ)

※取材撮影は2023年4月に実施しており、掲載されている内容は取材時点のものです

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