事例紹介

「レールゲート」がさまざまな世代の人を迎え入れる
下町の住宅地に建つヒューマンスケールな複合施設

物件名

渋谷区本町コミュニティセンター

設計担当者

株式会社隈研吾建築都市設計事務所
大高 翔吾 様

製品

手動タイプ レールゲート ダブルスライド式引戸

手動タイプ ノンレールゲート ボックススライド式引戸

小扉(丁番式開き戸)

  • ヒューマンスケールの複合施設
  • 複雑な運用を段階的に解いていく
  • 美観と機能性の両立を当たり前のことに

2025年4月に認定こども園エリアが、次いで6月に区民施設エリアがオープンしたばかりの渋谷本町コミュニティセンター。渋谷区の区民施設として、スポーツ施設、グラウンド、認定こども園を併設し、スポーツや文化を通じて、地域の人々が世代を超えて互いに親しむことができる。複合的でありながらもヒューマンスケールの施設をめざしたという、その成り立ちから設計手法までを伺いました。

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大高 翔吾様/隈研吾建築都市設計事務所

ヒューマンスケールの複合施設

今回のプロジェクトの成り立ちを教えてください

今回のプロジェクトはプロポーザルから始まりました。

弊社では全てのプロジェクトを、隈を中心として社内でチームを組んで進めます。今回のチーム編成は、主任技術士として宮原、担当技術者として田中浩介、そして設計担当の私の3名で進めました。隈との打合せにあたり、周辺環境や、建物規模、用途を読み込んだ上で、どのプランになっても担当者である自分たちが納得できるような案をいくつも準備し、打合せを重ねていきます。今回は結果的に、弊社が設計に携わった国立競技場を解体して街に溶け込ませるような、僕たちも一番推していた案に落ち着いたのですが、今振り返ると、この準備段階で考え抜いたことが、行政との打ち合わせの下準備にもなっていました。

設計のコンセプトを教えてください

計画地周辺にあった、旧区民会館と出張所の機能を引き継ぐことに加えて、グラウンドや体育館の再整備、さらには防災施設としての役割も求められたプロジェクトでした。周辺は住宅地で、その中に複合施設を建てるのでスケールアウトをしないよう、ヒューマンスケールを意識して設計していました。プロジェクト規模の大小に関わらず、いかに周囲の環境となじませるか、ということはいつも意識しています。

その手法のひとつとして、今回、大きな一つのボリュームを2つに分割し圧迫感を軽減し、その間に路地空間を作り、前面道路とグラウンドをつなげています。また、周辺の住宅の小さな木の庇の群れに連動するよう、木のプランクを用いた粒子状の庇を用いています。歩いている人の目線と見上げた先に木の質感や、庇の流れを感じられることで、建物の表情が親しみやすいものになるよう設計しました。

複雑な運用を段階的に解いていく

設計をされる上での工夫を教えてください

公共施設では、行政の中でその建物を主に使う部署と打ち合わせを行うのですが、今回は区民施設内にスポーツ施設や認定子ども園、出張所、防災倉庫が入っているので、さまざまな部署との調整が必要でした。各担当者とかなり密に連絡を取りながら一つずつ慎重に進め情報整理を行いつつ、設計として譲れないポイントを提案し、渋谷区さんに納得して進められたことが良かったのかなと思います。

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木製の庇が訪れる人に親しみを感じさせるアプローチ

 

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周辺住宅への開閉音も配慮したノンレールゲート

美観と機能性の両立を当たり前のことに

ヒガノの製品を採用いただいた決め手をお聞かせください

施設の性質上、日常時にも災害時にもカートや物を運び入れる場面が多くなることがわかっていました。具体的には、ベビーカーや台車など車輪がついたものの出入りが想定されていました。それらの搬入の妨げにならないようにバリアフリーで、というイメージは最初からできていました。そこで、ノンレールで大きな開閉に対応できる、ということがわかって、自然とヒガノさんの製品に行き着きました。

実際に打合せさせて頂いた際、かなりワイドなメインエントランスながら、2連で納めることが可能と提案頂けたことに驚きました。サブエントランスはノンレールですが、そちらは周辺住宅と距離が近いにも関わらずノンレールのおかげで稼働音の配慮もできています。見た目が整っていてスッと開く、申し分ない納まりになったと思います。施主である行政の担当者からも軽くてきれいで使いやすいと評価をいただきました。

今後、ヒガノやヒガノの製品にどのような期待をされますか

今回は総合的に満足しています。あえて言うとすれば、建物の中にワイヤーメッシュを印象的に使っており、それを門扉にも使いたかったのですが、留め具の形状と合わずに使えず残念ではありました。

それ以外は、急なお願いでも作図も含めて迅速に対応いただき、設計段階でも助けられました。一緒に考えてもらえることがありがたかったです。

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「建物を周囲の環境となじませることを意識しました」と語る大高様

※取材撮影は2025年7月に実施しており、掲載されている内容は取材時点のものです

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