惹かれたのは空間と調和する金物の美しさとシンプルさ
「神奈川大学 みなとみらいキャンパス」に当社の製品を採用いただくまでの経緯を教えてください。
『国際・日本』の融合した未来『創造・交流』を基軸に2021年に誕生した最先端のキャンパス「神奈川大学 みなとみらいキャンパス」の設計を担当しました。教育機能を積層させながら、建物の随所に人々が集い、知が交流する仕掛けをつくるためにキャンパスと歩道の境界線がない設計をしたのですが、竣工後に感染症拡大防止やセキュリティの観点から領域を示すものが必要となりました。
設計者としてはキャンパスの顔となるエリアに景観が崩れるものを置きたくないという気持ちがまずありました。なおかつ平常時は領域を示しつつ、学園祭などのイベント時には移動できるもの、そして埋没式や脱着式のような追加の外構工事が発生せずスピーディに納品できるものを探していました。
「ムーブボラード シリンダーⅡ」を採用いただいたのは何が決め手だったのでしょうか?
通勤時、私が日常的に使う地下鉄の出入り口付近に、ヒガノさんの「ムーブボラード シリンダーⅡ」が設置されていたことを思い出しました。一見、ボラードではなくステンレスの塊に見える。そんな金物の美しさに惹かれ、すぐに施工業者の方に「ムーブボラード シリンダーⅡ」の導入を相談しました。
設計者目線で考えると、建物をデザインする際のワンパーツであるボラードなどの製品は華美である必要はありません。むしろさりげなくシンプルなデザインである方が汎用性が高く、周囲と調和し、最終的に空間の質も上がると考えています。
ヒガノさんの「ムーブボラード シリンダーⅡ」はその塩梅が絶妙で、設計者としてはすごくありがたいことでした。
「ムーブボラード シリンダーⅡ」納品後、施主様からの感想などはありましたか?
お客さまへの提案にあたり、ヒガノさん以外の脱着式ボラードなど複数パターンを提案し、ご判断いただいた経緯があります。
採用の際、ヒガノさんの「ムーブボラード シリンダーⅡ」のステンレスの質感を高く評価されておりましたので、好評だと思います!
設計者の理想を実現するメーカー製品
当社を知ったきっかけや商品の意匠についての印象を教えてください。
入社した当時、上司から「庇であれば、ヒガノさんのハニカム庇は雨樋のおさまりがキレイでお勧め」と聞いたことが御社を知るきっかけでした。そのようにヒガノさんのプロダクトの美しさは社内に口コミで広がっており、後輩たちにも認知されています。
門扉や庇をはじめ、傘立ては置き型や壁収納もあるなど、ラインナップが充実しているところもよいですね。今回の「神奈川大学 みなとみらいキャンパス」のような大規模施設では、その全てを設計者がコントロールし切れるわけではありません。
特注ではなく標準品であっても設計と一体化できる、後から設置することになっても調和をもって全体に織り込むことができる、そんな安心感のある製品がヒガノさんには揃っていますね。
また、カスタマイズの余地があり、プロジェクトに合わせて微修正をかけることができ、ただ既製品を選ぶだけということにならないところもよいです。
設計者目線でのエクステリアの重要性を教えてください。
建物に地域の人々の憩いの場の設置を求めるお客様が多くなっていることもあり、エクステリアの重要性は高くなっていると感じます。特にコロナ以降、人々の意識と活動が外に向かうようになり、エクステリアにより多くの機能が求められるようになっています。設計者としてはそこにどう着目して、景観面や機能面、使いやすさのバランスを考えてどうデザインしていくのかが課題ですね。
変化に応じるためには設計側の意識を変えるだけではなく、提案先のお客様にも新しい着眼点を持ってもらう必要があります。そのため設計中はできるだけお客様と一緒に視察へ行ったり、国内外の事例を見てもらうなど工夫しています。
設計者の可能性を広げるメーカーとしての提案力
今後、当社、また製品に期待したいことはありますか?
ヒガノさんの製品はエッジの美しさや、納まりの小口に変な見切りがないところなど細部が美しいですよね。今後も一個一個のプロダクトのクオリティーの高さを追求していっていただきたいです。
あとは、一歩先の提案をお客様にするにあたって、参考として実際の製品を見る機会があるとよいですね。例えば門扉などが納入されているところにお客様と一緒に出向き、ものを見ながらその場でアイデアを話し合えるような。
今後、新しい外部空間をつくっていく上で、従来はなかったものを提案していく必要があります。お客様にご理解いただくうえで、イメージしてもらいやすい材料や現場があると、さらにエクステリアの可能性を広げていけると思います。