デザイン性と耐久性を両立できるメーカー製品
「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」に携わることになったきっかけを教えてください。
加藤様:豊島区様からの委託により2010年に「トキワ荘マンガ文化の活用に関する基礎的調査」を実施したことをきっかけに、2015年にマンガ文化の発信拠点となるトキワ荘の再現を視野に入れた基礎調査を当社でおこないました。その流れで「トキワ荘マンガミュージアム」の設計にも携わることになりました。
「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」のコンセプトは?
加藤様:「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」は、手塚治虫氏をはじめとする現代マンガの巨匠たちが集い、青春の日々を過ごした伝説のアパート「トキワ荘」を再現したミュージアムで、「マンガの聖地としまの象徴として、地域へ、世界へ、マンガ・アニメ文化を発信する」をコンセプトとしています。こうした情報発信拠点に加え、地域の活動拠点の機能を併せ持つ施設として計画しました。
「トキワ荘」は1982年に解体され、図面は一切残っていませんでしたが、マンガ家のみなさんが過ごした昭和30年代頃の建物を忠実に再現するために写真や文献を集めたり、居住していたマンガ家さんにヒアリングをするなどして、設計を進めていきました。
当社の「支柱回転式コンパクト開戸」を採用いただいた経緯を教えてください。
加藤様:建物の世界観に合わせて、道路側は「板塀」をつくろうということになりました。門扉も道路に面しているので、世界観を合わせるために板塀のようなデザインにできないかいろいろと考えてみましたが耐久性に課題がありました。そこで今回、設計協力として参加していた株式会社LANの本多さんからヒガノさんの「支柱回転式コンパクト開戸」を提案いただきました。耐久性をクリアでき、建物の世界観にあった「板塀」を実現できることから、ヒガノさんの製品を採用することになりました。
検討にあたってヒガノさんの過去の事例をいくつか拝見したのですが、どれも建物全体のコンセプトに即して柔軟にアレンジされており感心しました。ヒガノさんの製品が多くの設計者から信頼を集めている理由が分かりましたね。
昭和30年代の懐かしさを感じる「板塀」を実現
どのような「門扉(ゲート)」をイメージされていたのでしょうか?
本多様:多くの人が懐かしさを感じる、昭和30年代の雰囲気を損なわないこと、「トキワ荘」の忠実な再現が最も重要でした。もともとの「トキワ荘」に門扉があったわけではないので、余計な要素は極力つけない方向で考えていきました。「門扉」が開いている時にはその存在を感じさせないように、「支柱回転式コンパクト開戸」の支柱をかくして「板塀」に見える。そんな「門扉」をイメージしていましたね。
当社の「ノンレールゲート」を提案していただいた経緯を教えてください。
本多様:ヒガノさんにはかれこれ20年以上お世話になっていて、製品ラインアップはほぼ頭に入っています。そのため、当初からヒガノさんの「支柱回転式コンパクト開戸」を加藤さんに提案しようと考えていました。片持ちタイプなのでどういったストラクチャーフレームにするのか?そこまで一緒にデザインしてもらえるのは、設計者としてはありがたいところです。“これしかできません”と言われてしまったら、そこまでですからね。
実は過去に設計した3、4案件で、ヒガノさんに木を貼りつけて門扉をつくってもらった実績がありました。かなり特殊な門扉ですが作り方のノウハウが蓄積されているところも決め手の一つでもあります。耐久性や強度に何か懸念があれば構造の提案をしてくれるので、安心感を持ってヒガノさんの製品をおすすめできるのです。