「門扉」への豊富な知見と洗練された「庇」の完成度が採用の決め手
「FOREST GATEWAY CHUO」のコンセプトを教えてください。
中央大学が創立130周年を迎えた2015年に、次世代を見据えた中長期事業計画「Chuo Vision 2025」が策定されました。その事業計画の中にあった「FOREST GATEWAY CHUO」は、中央大学多摩キャンパスを再整備する中心的な事業でした。
求められていたのは、豊かな自然に呼応する先進的な環境配慮と、既存の研究組織や学内外の枠組みを超えて利用できること。そのため、“自然環境と一体化した安心して学べる場”をコンセプトに設計を進めていきました。
当社の「門扉」「庇」を採用いただいた決め手は何だったのでしょうか?
この設計をしている途中で参加した、先進的な大学のプロジェクトに触れるイベントで、偶然にもヒガノさんと出会いました。私自身「門扉」を手掛けることが初めてでしたし、関係各所から「門扉」の設計は特殊だと聞いていました。もともと「門扉」といえばヒガノさんというイメージもあり、ご縁にも恵まれたことから、今回ヒガノさんに力を貸してもらうことに。製作時、ヒガノさんにはあらゆることを相談しましたが、その都度素早く丁寧な回答が返ってきたので心強かったですね。
「庇」については、「FOREST GATEWAY CHUO」の前にあるカフェからヒントをもらいました。そこの「庇」がシンプルで良くて、雰囲気を合わせることができたらいいなと思い、いろいろ探していたんです。そんな時にヒガノさんの製品ラインアップの中に、似たようなディテールのものを見つけて採用に至りました。
そもそもヒガノさんの「庇」がすごく好きだったんですよ。極限まで研ぎ澄まされたシャープなデザインに魅力を感じていたので、今回の案件で採用できたことは個人的にとても満足しています。
課題に対する高い提案力と、リスクを的確に提示する誠実な対応
当社からの提案で印象に残っているものがあればお聞かせください。
従来の「門扉」の引き残し部分が諸事情で確保できず、引戸タイプではなく開戸タイプの「門扉」を提案しようと考えていました。ヒガノさんに相談する中で、縮小したスペースでも引戸タイプの「門扉」を設置できることが分かり、機能性と安全面を満たす引戸タイプの「門扉」を設置しました。
もともと傾斜がついている場所への設置だったため、傾斜する舗装面と水平な門扉に隙間がどうしてもできてしまうのですが、大学側より「防犯の観点から隙間を工夫して無くしたい」というご要望をいただき再検討することになりました。検討する中で、色々な提案と合わせてリスクに関してもご提示いただいたことが、印象に残っていますね。リスクについて事前に施主様と共有できるのは非常にありがたいです。万が一の事態が起こったとしても、トラブルを最小限に抑えられますから。
外構設計をバックアップする商品のさらなる充実に期待
当社についての印象、また製品の意匠、デザインはいかがでしょうか?
私の中では、やはり「庇」の印象が強いですね。今回採用させていただいたもの以外にも、かなり洗練された設計者好みな製品が揃っていると感じています。例えば、厚さの薄い「庇」の中に照明が仕込める形なんかもすごくいい。薄いところに照明がつくと、スペースを取らないのですっきりしたデザインでまとめられますよね。ヒガノさんの「庇」はそのままでも十分見栄えも機能も満たしてくれますし、意匠を凝らすにしても安心してベースとして使える。本当にレベルの高い「庇」だと思います。
今後、ヒガノまた製品に期待したいことはありますか?
エクステリアの設計は、本体の設計が整ったところで着手することが多く、最後のほうに回りがち。しかしエクステリアは利用者の方々が最初に接する、すごく重要なポイントなんです。そのため、その要望に応えてくれるクオリティの高いメーカー製品が揃うと嬉しいですね。今でもヒガノさんは非常に頼もしい存在ですが、これからもラインアップを増やしていってもらえると大変ありがたいですね。