将来にわたって親しまれる“みんなの家”のような役場を目指す
本プロジェクトの受注の経緯を教えてください。
増崎様:前職から付き合いがあり、懇意にしていただいていた太陽工業株式会社(以下、太陽工業)さんにお声がけして、設計・施工のプロポーザルに参加したことが受注のきっかけです。一般的には、審査員は大学教授や公的機関の方が多いのですが、本プロジェクトは地域の方々も審査員として参加しており、専門家だけでなく、地域の方々からも弊社の提案を選んでいただけたことがとても嬉しかったです。
さらに、弊社にとっては事務所設立以来、初めてプロポーザルで勝ち取った公共施設案件でした。また、膜天井施設やテント倉庫の世界トップクラスのシェアを誇る太陽工業さんにとっても新しいチャレンジといえる案件だったので、両社ともいつも以上に力が入った提案になっていたと思います。
建築設計のコンセプトは?
増崎様:“関東一小さな村の、みんなの家”がコンセプトです。もともと人が少ない土地だからこそ、街道を通る人や登山客など、そこを行き交う人がおのずと集まってくる場所としての、家のような役場です。庁舎として災害に強く、環境にも配慮した施設であるのはもちろん、村の観光拠点や子供たちの遊び場、災害時の拠点、ひいては祭の舞台でもあるというように、色々な使いかたができて、日々村の方々の居場所になることを目指しました。
埋め込み式の「エントランスマット」を計画した理由は?
増崎様:人を迎え入れるエントランスは新庁舎の顔にもなる場所です。そのため、私の中では床に敷くレンタルマットではなく、すっきりとした納まりを実現できる埋め込み式の「エントランスマット」しかイメージにありませんでした。
フットワークの軽さと対応力がヒガノ製品採用の決め手
ヒガノの「エントランスマット」を採用した決め手は?
鶴岡様:もともとは別会社の製品を採用しようとしていたのですが、調整がうまくいかず納品が竣工に間に合わないという状況になってしまいました。関係者へのお披露目会にはなんとしてでも間に合わさなければならないという状況で、対応できるメーカーを探していたところ、ヒガノさんのWebサイトを発見しました。資料請求の翌日にはヒガノさんの営業担当者から電話をいただき、すぐに対応してもらえました。建築設計の増崎さんにもヒガノさんで進めたいという話をして、すぐにサンプルをチェックしました。そうしてヒガノさんの「エントランスマット」の採用に至りました。決め手はやはり、ヒガノさんの素早い動きと対応力です。
竣工後の感想があれば教えてください。
増崎様:エントランスマットのような製品は、製品単体として主張するよりも、端正な納まりで空間全体の引き立て役に徹してほしいと考えています。今回はコンクリートのゴツゴツした壁と明るい黄色の壁、それに控えめでさりげない「エントランスマット」の3つが、ひとつの空間にバランスよくまとまったと感じています。
清水様:実は、役場の方々からは「エントランスマットは素朴なものでいいんじゃないか」という声もありましたが、私たちとしては最後の仕上げとしてきちんとしたマットを入れたいという想いがあって。ヒガノさんの「エントランスマット」を入れたことでエントランスがぐっと締まり、仕上がった時は嬉しかったですね。
鶴岡様:新しい庁舎に関して、施主様からは「とても快適です。」という声をいただいています。ただ、使っていくうちに気になるところが出てきたと言われました。
清水様:以前の庁舎では古い建物だったので、仕方ないとあきらめたり、我慢して使ったりすることが多かったようですが、新庁舎になってから、“この庁舎を自分たちでさらに使いやすく、快適な空間にしていこう”という土壌が生まれたことはとても良いことではないでしょうか。