事例紹介

賑わいを創出する力強い木造が特徴的な市民会館に
違和感なく溶け込む、シンプルで丈夫な薄型「庇」

物件名

水戸市民会館

設計担当者

伊東豊雄建築設計事務所
樽谷 敦様

製品

アルミハニカム庇 PFH22 Series キャンチタイプ

アルミ形材庇 PFE06 Series

  • 城下町のような風格と賑わいを創出する力強い木造建築
  • 極力シンプルなデザインと長い年月使える丈夫さが採用の決め手
  • 建物内外の境界面に設置する製品のバリエーションに期待

水戸市の中心部でひときわ目を引く「水戸市民会館」は市民の芸術文化活動を育む拠点として2023年7月に開館しました。茨城県最大の2000席を有するグロービスホール(大ホール)をはじめ、コンサートや講演会など様々なイベントを開催できる中・小の多目的ホールを備えた、地上4階、地下2階の複合文化施設です。その建築設計を担ったのは、50社を超える公募型プロポーザル方式において最優秀案として選出された伊東豊雄建築設計事務所と地元の設計事務所である横須賀満夫建築設計事務所で、両社による共同企業体(J V)という形でプロジェクトが進められました。
今回は、文化拠点となる「水戸市民会館」のコンセプト、またヒガノの製品を採用いただいた決め手などを伊東豊雄建築設計事務所の樽谷 敦様にお話を伺いました。

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樽谷 敦様/伊東豊雄建築設計事務所

城下町のような風格と賑わいを創出する力強い木造建築

御社にとって本プロジェクトの位置付けを教えてください。

今回のプロジェクトは東日本大震災で使えなくなった旧市民会館の建て直しであったため、約12年ぶりに市民が活動する場が復活することになります。また。水戸市中心部の賑わいが失われつつあるという状況に対して、かつての賑わいを取り戻すという命題がありました。そのため、大中小ホールなど様々な機能的な諸室が複合化される中、日常的に自由に使ってもらえる場所を各所につくりました。学校帰りの学生や小さなお子さんを連れた親子などが憩いの場所として立ち寄ってもらえる施設となるように計画しており、大変気合の入ったプロジェクトです。

建築設計のコンセプトは?

水戸という街のコンテクストを活かすことから、城下町のような風格を伴った風化しない力強い建築を目指して、「木で力強い建築をつくる」ことを試みました。また、敷地南側は国道沿いの商業的な場所であり、北側は文化・芸術の拠点となる水戸芸術館があるため、「南北ふたつの賑わいをつなぐ」ことを意識しています。建物外周部には、日々多くの市民が集うことができる場所を各所に設けて、街を歩いていると中の活動が見えてくるように人と街を繋ぐ施設になるように心がけています。

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まちの中心地に賑わいを創出する「水戸市民会館」

極力シンプルなデザインと長い年月使える丈夫さが採用の決め手

ヒガノ製品を採用した決め手は?

設計時点でメーカー製品を検討する際、さまざまなメーカーが出している製品ラインナップの中でも極力シンプルな製品を選ぼうという意識があります。建物全体を計画する上で、主張するところと、それを補うところがあるとすると、今回採用した「庇」は外装デザインの一部となるので主張するところではありません。そのため、シンプルでありながら、機能的であり、耐久性の高いものが必要でした。

今回は、建物の東西南北に設けた数カ所の入口に小ぶりな「庇」を設置しており、建築に違和感なく溶け込めるものであることを重要視しています。ヒガノさんの製品を採用した決め手はこの辺りにあります。また、照明を仕込めることをはじめ、モジュール化しているけれどもある程度柔軟に加工できるところも良かったですね。

製作中に印象に残っていることがあれば教えてください。

庇は外装との取り合いなどディテール的に難しいところもありますが、作図の対応が早く、納まりの検討は大変助かりました。店舗サインを庇上部に設置していますが、耐荷重の条件も含めた下地の検討など、必要な資料をすぐに提供してもらえたので、現場でもスムーズに進めることが出来ました。

施主様からの感想などはありましたか?

まだ開館していない*こともあり、具体的な感想はいただけていませんが、概ね満足いただけていると感じています。これから市民の方々がどのように使っていくのかを見守っていきたいなと思います。

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建築デザインに馴染むシンプルで丈夫な薄型「庇」

建物内外の境界面に設置する製品のバリエーションに期待

今後、ヒガノに期待することを教えてください。

建築を設計する際、「外とつながる場所をどのようにつくるのか」ということが大事だと考えています。もちろん、建物の中も大切ではあるのですが、閉じた建築というよりは光や風などの自然環境とつながる場所がうまくできると気持ちがいいなと。そういう点において、境界面にある「庇」というアイテムは、大事なところですね。境界面に関連するエレメントでいうとカーテンもそうですが、金属メーカーのヒガノさんには、シンプルで奇麗な金属製のカーテンなどが製品ラインナップに上がってくることを期待しています。

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「建物と外をつなぐ部分がおもしろい」と語る樽谷様

採用していただいた製品の詳細はこちら

シェード(渡り廊下)・庇(ひさし)

製品
アルミハニカム庇 PFH22 Series キャンチタイプ
製品
アルミ形材庇 PFE06 Series

※取材撮影は2023年6月に実施しており、掲載されている内容は取材時点のものです

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