幅広い年齢層の子どもたちが学ぶ国際色豊かなスクールを設計
今回のプロジェクトの背景をお話しください。
ケイ・インターナショナルスクール東京さんと松田平田設計とは、現在の敷地に移転した頃から約20年間のお付き合いがあり、継続してキャンパス計画をサポートしております。2009年に当社が設計した最初の校舎を評価していただき、学生増による校舎拡張が必要となり、2018年頃から体育館も含めたメインの新校舎設計のお話をいただきました。
コンセプトについてはどのような依頼があったのでしょう。
ケイ・インターナショナルスクール東京さんには、幼稚園から高校卒業まで、つまり3歳から18歳までの幅広い年齢とさまざまな国籍の子どもが在籍しています。2009年に完成した最初の校舎は、3歳から小学校2年生までの子どもたちが使う建物でしたが、新校舎はその上の学年、小学校3年生から高校3年生までの子どもたちが使う場所になる、というのを最初に伺っていました。新しい校舎では学習内容もより高度になるので、雰囲気や内装は少し大人っぽさを意識しています。同時にさまざまな国籍の方が利用されるため、皆にわかりやすく、既存の建物との統一感を感じられるように、外壁のタイルをできるだけ近似の色とトーンで揃える工夫も施しました。今回設計した校舎は、この学校のシンボルともいえる建物です。設計段階から理事長をはじめ学校側の担当者様も積極的に関わってくださったので、全体のコンセプトやデザインを丁寧に打ち合わせしながら進めることができました。
インターナショナルスクールが求める高いセキュリティ性能とデザイン性を両立
ヒガノの「ゲート(大型門扉)」を採用いただいた決め手を教えてください。
まず、建築主からは「丈夫でメンテナンスが容易であること」を求められました。ヒガノさんの「ゲート(大型門扉)」を設置しているのは校舎のバックヤード側ですが、周囲が立て込んでいて車道に面しています。また、学校の門扉として、より高いセキュリティ性を求められ、侵入を防ぐという意味でも高さが重要な要素でした。それらを総合的に考えると、ヒガノさんの「ゲート(大型門扉)」、かつ、電動引戸タイプが子どもたちの安全を見守るためのもうひとつの入り口にふさわしいという判断をしました。
デザインにも満足いただいているでしょうか。
当社とヒガノさんとはさまざまな案件ですでにお付き合いがあったので、実績もあり、安心感もありました。設計者としては高いセキュリティ性と丈夫さを兼ね備えながらも、すっきりしたデザインで主張が強すぎない「門扉」が今回の学校のデザインに合っていると感じています。門扉を引いたときの収納スペースもコンパクトで、建物と敷地のバッファーを保てる、というのも決め手のひとつでしたね。
建物と外構デザインの統一感に期待
当社の対応などで印象に残っていることはありますか。
毎回スムーズな対応をいただけていると感じています。外構計画はいつも終盤の検討となり依頼がギリギリになってしまいがちなところを、それでもすぐにこちらの意図を汲み取って仕上げてくれるのは大変助かっていますね。
今後のご要望があればお聞かせください。
外構計画を考えるにあたり、建築主や設計者がイメージしきれないところも多くあって、そういったとこの細部までご提案いただけると嬉しいです。今回の計画でいえば、門扉まわりに設置したカーブミラーや照明など、もう少しスマートなデザインにできたかなと思うところもありまして。ご提案の範疇を超えるかもしれませんが、ランドスケープという観点でいえば製品に付随する細やかな部分へヒガノさんの知見を活かしてご提案いただけると、デザイン性や機能性の幅がより広がるのかなと感じています。
私個人としては、機会があれば建物と外構をさらに一体化させるようなデザインに挑戦してみたいと思っています。その際には、もう少し手前の段階からヒガノさんに相談をしてみたいです。